Masukパシッ!
乾いた音が、空気を裂いた。
けれど、頬を打った音ではない。
花凛の手が触れる寸前、紗良がその手首をつかんでいた。
速く、正確な動きだった。必要以上に力は加えず、相手の動きだけを封じる。
「痛っ! 放しなさいよ! 頭、おかしいんじゃない!? ただのメイドのくせに、誰に触ってるの!」
花凛は悲鳴を上げてもがいたが、紗良の手はびくともしなかった。
冷えた瞳が、まっすぐに花凛を捉える。
数えきれない交渉の場で、相手の隙を最後まで見逃さなかった者の目だった。
「人の頬を叩く前に、状況を確認なさったらどうですか」
低く落ち着いた声に、リビングの空気が冷えた。
「右の靴のつま先に、白磁の釉薬の粉がはっきりついています」
「な、何ですって?」
「棚の下には、今しがた押し動かされた跡。破片は、あなたが立っていた側から斜めに広がっています。水を持っていた私が触れた形跡はありません」
紗良は感情を交えず、事実だけを並べた。
「私が割ったとは考えられませんね。それから、3,000万円のアンティークとおっしゃいましたか?」
床に落ちた底の破片を一瞥して、続ける。
「現代の工房の刻印と、オークションのロット番号が残っています。少なくとも、本物の王室アンティークではありません。3,000万円を請求するには、準備が足りませんでしたね」
「こ、この生意気な……!」
花凛の顔が屈辱と驚きで白くなり、唇が震えた。
そのとき、ドレッシングルームの扉が荒々しく開いた。
隙なくスーツを着込んだ冬真が出てくる。床に散らばる破片と、紗良に手首を押さえられて息を荒らす花凛を見て、その顔が険しくなった。
「私の家で、いったい何をしているんですか」
冬真を見るなり、花凛は傷ついたような顔に切り替えた。目に涙まで浮かべてみせる。
「冬真さん! このメイド、私の手首を折ろうとしたの! あなたが大切にしていた花瓶も、自分で割ったくせに私のせいにして!」
冬真はその言葉を聞き流し、大股で近づいた。
そして迷いなく紗良の手首を優しく包み、花凛から離した。
いつもの刺々しい態度からは想像できないほど、慎重な手つきだった。
床の破片に冷たい目を落としたあと、冬真は花凛を見た。
そこには、もうわずかな温度も残っていない。
「新堂花凛さん」
「と、冬真さん……?」
「飾り棚の真上に、広角の4K防犯カメラがあることをお忘れですか」
花凛の呼吸が止まった。
「あなたが足を伸ばして花瓶を落とす映像は、私のスマートフォンにリアルタイムで保存されています」
冬真はスマートフォンを取り出し、冷たく続けた。
「私の家の物を壊し、従業員を侮辱し、殴ろうとした。損害賠償請求書に映像を添えて、新堂征一郎議員の事務所へ送ってほしいですか?」
「冬真さん、違うの、これは……!」
「警備を呼ぶ前に、今すぐ出ていってください」
花凛は唇を震わせながらバッグをつかみ、逃げるように出ていった。
冬真はすぐさま警備室に連絡し、花凛の指紋認証と車両ナンバーを入館許可リストから削除させた。
「二度と、予告なしに入れないように」
通話を切っても、その視線は玄関ではなく紗良に向けられたままだった。
扉が大きな音を立てて閉まり、リビングに重い静けさが戻る。
掃除道具を取りに行こうとした紗良を、冬真が引き留めた。
目が、彼女の白い指先に止まる。
(破片で切っていなくてよかった。少し遅ければ、頬まで叩かれていた)
紗良が、力ずくで簡単に負ける相手ではないことは見た。
だが、家の権力を使って押さえつける争いは別だ。
自分がいない間に同じことが起きたら。そう思うと、冬真の表情はさらに硬くなった。
今日の残りの予定を思い浮かべ、眉間にしわを寄せる。
「……破片は専門の清掃チームを呼びます。触らないでください」
彼は紗良の目をまっすぐに見て、低い声で言った。
「神谷さん。今後、あの人と2人きりにはならないでください」
自分を、身寄りも後ろ盾もない気の毒な女だと思っている。
その真剣な眼差しに、紗良は胸の内で小さく笑った。
巨額の資金を動かし、政財界の大物たちと渡り合ってきた自分が、今、この気難しい財閥3代目の御曹司から「守るべきハウスキーパー」扱いされているのだ。
いつもなら、非効率な干渉だと切り捨てていたはずだった。
なのに、真っ先に怪我の有無を確かめる彼を見ていると、断る理由がうまく見つからなかった。
「承知しました、雇い主様」
ようやく、冬真の肩から少し力が抜けた。
その手が離れたあとも、紗良はしばらく、手首に残るぬくもりを意識していた。
宴会場の一件を受け、新堂一族への捜査と、ヴァルハラによる特別調査が同時に始まった。監査チームは数週間にわたり、新堂ホールディングスの系列会社の取引を追った。予備報告にあった800億円規模の売上水増しと、担保の重複は、始まりにすぎなかった。海外のペーパーカンパニーを使った裏金作りや脱税の疑いまで明らかになり、新堂征一郎は身柄を拘束されたまま起訴された。花凛も、宝石窃盗の証拠を捏造して紗良に罪を着せようとした件と、不正な身元照会を指示した件で、裁判にかけられた。事件が起きる前に出動指令を受け、逮捕を急いだ刑事の班長と関係警察官には、監察の調査が入った。政治家による不当な介入の経路も、捜査の対象になった。その後、一審では新堂親子に重い刑が言い渡された。犯罪による利益は追徴と回収の手続きに入り、新堂ホールディングスは債権者の管理下で、正常な系列会社と不良会社を分離したうえで、清算へ進んだ。紗良は最後まで、私情で結論を早めなかった。高城重工の投資案件についても、正式に審査から外れたままだった。その間、高城重工はヴァルハラの独立投資審査委員会による正式な精査を経て、3,000億円規模の増資を実現した。資金繰りの危機を乗り越えると、冬真は取締役会の支持を受け、高城グループの会長に就任した。最初に改めたのは、親族が経営や人事に私的に口を挟む慣行だった。麗子は、取締役会からも冬真の家からも、一歩身を引いた。紗良には、言い訳のない謝罪の手紙を送った。直接会って謝りたいという希望も、紗良が認めるまで待った。紗良は謝罪を受け入れた。けれど、なかったことにはしなかった。2人の関係は、仲むつまじい嫁と姑というよりも、越えてはいけない線を心得た家族に近くなっていった。* * *1年後。晴れ渡った5月のある日。2人の結婚式は、都内のプライベートガーデンで執り行われた。紗良が誰より長く見つめていたのは、壇上で自分を待つ冬真だった。大勢のカメラの前でも動じない人なのに、今日は指先を硬く握り込んでいる。紗良が近づくと、彼はとても小さな声で聞いた。「逃げるつもりは、ありませんか?」「もう、契約書に署名していますが」「契約期間は?」「一生です」そこでようやく、冬真の緊張が笑顔に変わった。花嫁控室では、ナプキンの1度の傾きまで直していた紗良も、誓い
「俺に対しても、全部……嘘だったんですか?」冬真の問いが、誰もいなくなった大宴会場に低く響いた。裏切られた思いより大きかったのは、自分は紗良にふさわしくないのではないか、という恐れだった。貧しいハウスキーパーだと決めつけ、こっそり高級バッグを入れた。月給200万円なら、暮らしの苦しさを軽くできると信じていた。そんな行動のひとつひとつを、ただ面白がって見ていただけだったら。そう思うと、耐えられなかった。冬真は乾いた唇を噛み、うつむいた。「あなたの目には、どれほど滑稽だったでしょうね。1兆円を持つ人に、はした金で守ってやると出しゃばって」紗良が近づいた。広い会場には、もう2人しかいない。彼の正面に立ち、逃げずに答えた。「始まりは……嘘でした」低く澄んだ声が、冬真に届いた。硬い肩が、目に見えてこわばる。「3年間、1日に2時間も満足に眠れないまま働いていました。誰かと会えば、まず打算を疑うようになって。掃除をして、物を整えているときだけ、頭の中が静かになったんです。だから、身分を隠してあなたの家へ入りました」紗良は、その目をそらさなかった。「会長だと明かさなかったことは、嘘です。でも、名前も年齢も、掃除が好きだということも、あなたのそばで安らげた気持ちも、嘘ではありません」冬真のまぶたが震えた。「俺がかわいそうで、付き合ってくれていたんですか?」「いいえ」紗良は、ためらわなかった。「最初は雇い主でした。その次は、ちゃんと眠れているか気になる人になって。今は、好きな人です」冬真は、しばらくしてから、ようやく尋ねた。「だったら、どうして最後まで言わなかったんですか?」紗良の視線が、初めて少し下がった。「肩書きを知らないあなたが、神谷紗良をどう扱うのか、もう少し見ていたかったんです。それに、話した途端に今の関係が終わるのが……怖かった」自分も怖かったのだと、紗良が先に認めたのは、初めてだった。「だからといって、あなたが選ぶ機会を遅らせてよかったわけではありません。ごめんなさい」冬真は、すぐにいいとは言わなかった。傷つかなかったわけではない。「腹は、立っています」「わかっています」「二度と、こんなふうに1人で決めないでください」「約束します」あまりに即答だったので、冬真の硬い表情が少しほどけた。「でも、あなた
紗良の白い指が、タブレットの上に止まっていた。新堂と花凛は、息が止まりそうな恐怖の中で、その指先だけを見つめている。承認されれば、首の皮一枚でつながる。拒否されれば、系列全体が資金繰りの危機に陥る。けれど、紗良は承認ボタンを押さなかった。静かに画面を送り、黒田へ告げた。「承認は保留に」新堂の顔がゆがんだ。「神谷会長。今日の件と投資判断は、別だとおっしゃったではありませんか」「ですから、却下しなかったんです」低く、明瞭な声だった。「ヴァルハラの国際監査チームと外部監査法人を入れて、新堂ホールディングスの全系列を特別調査してください。結果が出るまで、新規資金の実行は停止します」さらに、指示を続ける。「ただし、従業員の給与と通常の仕入れ代金は、別の管理口座へ切り分けて。大株主の私的な引き出しは止めても、事業を回す資金まで断たないように」下で働く従業員まで、罰するつもりはなかった。「それでは、事実上の死刑宣告だ! 感情的な報復ではありませんか!」「ヴァルハラの資金は、誰かの政治的な盾ではありません。投資価値があるか、原則に沿って確かめます」紗良は、画面のリスク項目をひとつずつ開いた。「精査は、申請企業が当社と結んだ契約に含まれています。資料に問題がなければ、支援案は再審査されます。問題があれば、今日の一件がなくても、資金は受けられません」新堂は、それ以上反論できなかった。ヴァルハラは借り換え審査のために、すでに財務諸表と担保資料を受け取っていた。資料が調査用サーバーに集約される。1時間後に届いたのは、確定した結論ではなく、予備報告だった。系列会社の間で繰り返された800億円の売り上げ。同じ不動産が複数回担保に入れられた形跡。海外のペーパーカンパニーへ流れた資金。提出資料を突き合わせただけでも、説明のつかない穴が多すぎた。会場の片隅で、黒田が報告書を読み上げる。「虚偽の財務情報が提出された可能性が高いとみられます。既存融資1,200億円についても、契約違反の有無を審査する必要があります」紗良はすぐに答えた。「追加の引き出しを停止し、担保保全の準備を。期限の利益の喪失と早期回収は、法務の確認を経て、債権者の協議会で判断してください。金融庁と捜査機関には、原資料を提出します」「系列ごとに、正常な事業と大株主関連の取引を切
「か、会長……?」花凛は口を開いたまま、何も言えなくなった。つい先ほどまで、自分が泥棒呼ばわりしていたハウスキーパー。その前に、ヴァルハラの幹部が並んでいる。この女が、個人資産1兆400億円を持つ、ヴァルハラ・キャピタルの筆頭株主にして会長だった。会場のざわめきが、ぷつりと途切れた。「あの方が、顔を出さないことで有名な神谷会長だったのか?」「ヴァルハラの議決権株式を、1人で握っているという……?」客たちの携帯電話に、たった今ヴァルハラが発表した、本人確認のプレスリリースが表示された。イニシャルしか知られていなかった筆頭株主。その本名、神谷紗良と、役職、資産規模が、初めてひとつの資料にそろっていた。撮影していた動画を消そうとする客を見て、紗良が法務チームへ言った。「現場の映像は証拠になります。無理に削除させないでください。私の顔を商業的に使う場合にだけ、正式な手順で対応を」法務責任者が頭を下げた。刑事の班長は手錠をしまったまま、証拠保全の手順から、改めて指示を出し直していた。麗子は衝撃と恐怖に息を詰まらせ、よろめいた。ソファに手をついて、そのまま座り込む。「ヴァ、ヴァルハラの……神谷紗良? 1兆円も持っている人が、どうして息子の家で雑巾がけを……!」紗良は麗子へ目を向けた。「私個人の予定です」説明は、それで終わりだった。白紙の小切手を突きつけ、いくらで出ていくかと聞いていた人が、今は、なぜ息子の家を選んだのかと問い返すことさえできない。麗子は小切手の「0円」を思い出し、口を閉じた。誰より言葉を失っていたのは、冬真だった。彼は目の前の紗良を、ただ見つめた。生活に困っていると勝手に決めつけて、エルメスのバッグやダイヤの時計を引き出しに入れた。月給200万円を渡せば、安心するだろうと信じていた相手。防弾車を断った理由も、法人カードに興味を示さなかった理由も、今ならあまりに明らかだった。それでも、紗良は一度も彼の勘違いを笑わなかった。それどころか、贈り物だからという理由で、あのバッグを受け取ったのだ。そこまで思い出して、冬真の顔が熱くなった。もう、どう呼べばいいのかさえわからない。「神谷……会長」紗良の目が、すぐに彼へ向いた。「呼び方は、あとで整理しましょう」いつもと変わらない声だった。冬真には、距離を測り
「3分? 刑務所へ連れていかれるまでの時間でも数えているの?」花凛は鼻で笑い、刑事へ手を振った。「班長さん、何をしているの? 早く逮捕して!」刑事が冬真に退くよう警告した、その瞬間。紗良の腕時計が、短く震えた。午後7時。停止していた警護回線が開き、現場記録の送信完了が表示される。冬真が何が起きたか理解する前に、屋外から重い回転翼の音が近づいてきた。バラバラバラ――。本邸の大きな窓が低く震えた。麗子も花凛も、客たちも、一斉に外を見る。黒いヘリコプターが1機、近くの専用ヘリポートへ高度を下げていた。機体には、ヴァルハラ・キャピタルの金色の紋章。「ヴァルハラの専用機……?」新堂議員が、青ざめた顔でつぶやいた。続いて黒いセダン6台が正門のチェックポイントを通り、宴会場の前に止まった。先に降りたヴァルハラの警備チームが、高城家の警備責任者へ身分を示す。後ろから法務チームと、デジタル証拠の解析担当者が入ってきた。誰も武器を構えず、力ずくで道を塞ぎもしなかった。その代わり、責任者の弁護士が班長に、証拠保全の要請書と弁護人選任届を差し出した。「神谷紗良さんの代理人です。逮捕手続きを進める前に、新たな証拠と、現場が損なわれた経緯をご確認ください」班長が書類を受け取る間に、ヴァルハラの日本法人代表、アジア投資統括責任者、そして黒田秘書室長が、早足で入ってきた。黒田はタブレットを起動し、会場のメインスクリーンへつないだ。最初に映ったのは、逆追跡を知ったブラックオーシャンの代表が、法務チームへ提出した依頼書と支払いの記録。そして、前日にヴァルハラの保護網へ接続したログだった。続いて、サービス通路に設置された独立型バックアップカメラの映像が流れる。停電の直前。花凛の随行秘書が宝石鑑定士に封筒を渡し、非常電源室へ入っていく。暗転中には、同じ秘書が紗良にぶつかり、開いたバッグにネックレスを押し込む姿が、赤外線カメラに残っていた。腕時計が記録した接触時刻と、映像の時刻も一致している。最後に表示されたのは、宝石の紛失通報より7分早く、警察への出動要請が受理されていた記録だった。ざわめきが会場を満たした。班長の顔がこわばる。彼は手錠をしまい、上司へ現場の報告を始めた。花凛は画面に向かって首を振った。「捏造よ。全部、捏造だわ!」だが
ブルーダイヤモンドのネックレス『海の涙』が、大理石の上で短い金属音を立てた。8億円の青い宝石が光を返すと、高城家の大宴会場が静まり返った。「あの女のバッグから、出てきたんだよな?」「まさか、8億円の品を……」驚きと軽蔑の混じった声が広がる。花凛は、待っていましたとばかりに声を張った。「これで言い逃れできないわ! この卑しい泥棒が、高城家の宝石を盗んだ証拠よ。皆さん、ご覧になったでしょう!」麗子も顔を真っ赤にして、紗良を指さした。「なんて手癖の悪い女なの! この家のチャリティーパーティーで、8億円の宝石を盗むなんて! 警察を呼びなさい! 手錠をかけて、連れていって!」会場の正面扉が開き、近くで待機していた刑事と警察官、合わせて6人が入ってきた。新堂議員の事務所からの通報は、紛失が確認される前に受理されていた。班長の刑事は、現場の保全や目撃者の分離より先に手錠を取り出し、紗良へ近づいた。停電が終わってから、警察が会場へ入るまで、2分43秒。田園調布の管轄署から通報を受けて駆けつけたにしては、短すぎた。紗良は天井のカメラと、班長のボディカメラを順に見た。「出動指令を受けた時刻を、教えていただけますか」刑事の目が、一瞬揺れた。「被疑者が詮索することではありません」「では、そのご回答も記録に残りますね」客たちが携帯電話を構えると、班長は唇を引き結んだ。花凛が、早くしろとせき立てる。「神谷紗良さん。高額宝飾品の窃盗の現行犯として逮捕します。弁護人を選任し、黙秘する権利が――」紗良が手を上げて、遮った。「バッグは、常に私だけが管理していたわけではありません。強引に中身を調べる前の写真もない。先にケースと非常電源の記録を保全してください」「それは、取調室で話してください」返答が、不自然に速かった。その声も、紗良の腕時計に記録された。「その手をどけろ!」会場の入口から、雷のような声が響いた。息を切らした冬真が人垣をかき分け、紗良の前へ全身で立ちはだかる。取締役会の最中、ザ・ヘリテージから届いた応援勤務の明細に、紗良の名前を見つけたのだ。その場で運転手に田園調布へ向かわせ、到着直前に停電と警察の出動を知った。彼の顔は、血の気を失っていた。「と、冬真!」麗子が声を上げたが、冬真は刑事たちの前を塞ぎ、紗良を自分の後ろへ下